三日月さん曰く、獲物を直ぐに解体したら美味しくないそうで、獲物は明日知り合いの料理屋さんで捌くのだとか。今夜は山で採れたものと魚をあっさりと塩でいただきました。川魚も美味しいものです。
かなり前から焚き火が炭になっており、パチパチと淡く燃えています。今夜は天気が良いので、夜空がとても綺麗です。蚊とかいたら嫌だなと思っていたのですが、案外に寒いので心配はなさそうです。

満点の星にコーヒーの香り、虫の鳴き声……町と違うから、なんだか不思議な気分です。

静香さんと三日月さんは、夜空を見ながら一献交わしています。僕は、普段ならする事のない体験でまだ眠れそうにありません。
さっきまで乗馬やクルージングがどうたらと話していた二人は、今ではゲームの話で燃えています。
僕にはまだこの部署のセンパイたちが良く解りませんが、どうやら何か企んでいるようです。

今夜は、しっくりとRPGの移り変わりなぞ書こうと思います。
皆さんご存じの通り、RPGが爆発的な人気を得たのはファミコン版ドラゴンクエストの出現によってでしょう。
町の外で敵を倒し、レベルを上げながら装備を整え、対岸にある城に住む魔王、竜王を倒すというシンプルな物語。キャラクターデザインは鳥山明氏、スライムは一番初めに出会う魔物で、今までで一番愛されている敵キャラクターかもしれません。
ドット絵で動画もなく、常にプレイヤーの想像力に細かな描写を任せたゲームは、日本人にぴったりだったのでしょう。
ウィザードリィ、FFシリーズなど、初期RPGは未だに名作です。
復活の呪文を間違えて泣いた人、たくさんいるでしょう。それに、結うていみやおうきむこう……という呪文を覚えている人も。
今のゲームは映画張りの動画や、dramaticに盛り上げる演出に長けており、昔とは違う楽しさがあります。まるで、今日のような山暮らしと都会の暮らしくらいの差です。

「竹之内、あなた今日は楽しめたのかしら?」

『はい、かなり楽しゅうこざいました。また、是非連れて来てください』

「無理よ」

『え、なぜですか?』
「飽きたわ」
「やっぱり週末はジムとエステかい? 静香」

「そうね。それに綺麗な店が良いわ。ジャン ジョルジュ トウキョウやRRR、キュイジーヌ ミッシェル・トロワグロが恋しいのよ」
「はは、僕もだよ」

『……お二人はアウトドア派ではなかったので?』

「嫌だわ竹之内、私たちには都内が似合ってよ」

『ククリはお似合いでしたが』
「はは、静香に似合うのはバカラのグラスだよ」

『三日月さま、キザオーラが出始めておりますが』

「竹之内、三日月は昔から鼻持ちならない男よ、見た目に騙されないことね」

『そんな気がします』
「三日月はねえ、私の執事遊びより本格的に遊ぶのよ」
『遊び、ですか』
「当たり前じゃない。他になにかあって?」

『……開いた口が塞がりません』
「あら、焼いたマシュマロがここに」
『閉じましてございます』
「ふふふっ、やっぱり執事くんは良い人だ」

『ありがとうございます』
「あなたにはあげないわよ三日月」
「そうかい? 残念だよ」

……どうやらまだまだ話が終わらなそうです。
皆さん、今日はどんな一日でしたでしょうか?
明日は日曜日、有意義な休日をお楽しみください。

それではおやすみなさいませ、良い夢を。